「その夢には

計り知れない価値がある。」


8年前のある日、台風で空がとても荒れていた。私は、たったひとりでこの夢を叶えると決意したその日、自分だけの人生を歩める喜びと、決意したところでゴールに誰も待っていてくれないのではないか、そもそも、求められていなかったら…という気持ちに押し潰されそうになっていた。台風の影響で、最寄りの駅からは通勤出来そうになかった。仕方なく隣のなんとか乗り継いで行けそうな駅に歩いた。駅には人が溢れていて、とても少し待ったぐらいでは乗れそうになかった。なんだか、家に帰りなさいと、言われている気がした。とぼとぼと家に着くと、ひどい風でベランダの植木が倒れていた。「…直さなくちゃ。」ベランダに出ると、どこかから雑誌の一部だろうか「広告かな…?」風で飛んできたのだろう。なぜか、とても光って見えた。

 手に取ると、風雨で今にも破けそうなそれに、こう、一文、記してあった。